Keyball46を組み立てたよ 準備編
この記事は電子工作はほぼ初心者、
自作キーボードもほぼ初心者の人間の
Keyball46組み立て記録(ビルドログ)となります。
間違った知識や危険な部分もあるかもしれませんので、
お気づきの点や感想などございましたらコメントいただければ幸いです。
記事が長くなってしまったので、
準備編(買ったものや作成前の確認など)と
作成編(作成で躓いたところや使用感など)に分けました。
本記事は準備編となります。
作成編にも興味がある方は合わせてこちらもどうぞ。
Keyball46とは?
Keyball46とは@Yowkeesさんが制作されたキーボードの組み立てキット
(いわゆる自作キーボード)でトラックボール付きの40%左右分離型キーボードとなります。
自作キーボードショップの遊舎工房さんで買うことができます。
【委託】Keyball46 – 遊舎工房
制作者の@Yowkeesさんのツイート
完成!ミスもなく売れるレベルで出来たので6月初旬に販売してみたいと思います。
— 電気屋ヨーキース🎱 (@Yowkees) 2021年5月16日
名前はKeyball46に決めました。キーボードとトラックボールなので笑
This name is Keyball46. It's not only keyboard has track ball but also 23 buttons track ball.#トラックボール #自作キーボード pic.twitter.com/lCii9N9dWH
以下、目次です。
時間の無い人向け
本記事では大体こんなこと書いてます。
- 作製時間は3日、合計10時間ぐらいでした
- ビルドガイドが親切で分かりやすかった
- ダイオードとLEDの実装方法として、予備はんだせずマスキングテープで固定する方法がやりやすかった
- LEDをはんだ付けする際の温度は280℃
- 他は320℃で実施
- フラックスクリーナーを使うと、はんだ付け後のPCBが綺麗!
- クリーナーを塗布してブラシでゴシゴシする。
- 塗布部分がちょっとベタつく。
- 時間を置くほど汚れが落ちにくくなるので、早めにクリーナーする。
- ロープロファイル化はしませんでした
- キーソケットの取付けで導通不良があり、意外と落とし穴だった
- OLEDは両手に付ける事が可能(キットは片方だけ)追加した方にはロゴが表示されてかっこいい!
- トラックボールは回す軸を意識出来れば、かなり実用的
- ボールの上の方でコントロールしようとすると、上手く思いが伝わらない
出会い
ErgoDashで自作キーボードの面白さに目覚めて2週間ほど経った時に、
丁度Keyball46の再販のお知らせがきたため興奮してすぐさま買ってしまいました。
【再入荷】 【委託】Keyball46が再入荷しました!https://t.co/P6uU9lB5zq
— 遊舎工房 (@yushakobo) 2021年7月16日
Keyball46が自分に丁度良かった点としてトラックボールの他にも、
- 前回やらなかったLEDの取り付けをやってみたい
- OLED(小さい画面)かっこいい
- キーソケットでキースイッチが何時でも変えられる!
- とにかくキーボード作りたい!!
という動機と夢のような仕様に後押しされ即時購入となりました。
買ったもの
キーボードの部品の他にLEDを半田付けするにあたって必要な道具があったので、
それぞれ下記を購入しました。
キーボードの部品
詳しくは@Yowkeesさんのビルドガイドを見ていただければと思います。
ここでは私が買ったものを記録もかねて書いておきます。
キットも含めすべて遊舎工房で購入出来ます。(大変助かります)
- Keyball46
- ProMicro(コンスル―付き) × 2
- アンダーグロー用LED
- TRRSケーブル
- OLEDモジュール × 1
- キースイッチ
- キーキャップ
OLEDモジュールはキットにも付いているのですが、
両手で表示してみたかったので追加で購入しました。
トラックボールとMicroUSBは家に転がっていたものをとりあえず使いました。
組み立てに必要な道具
LEDを取り付けるにあたって必要そうなものも揃えました。
備えあればうれしいな。
LED取り付けの際に必須な温調はんだごて
LEDが温度に弱い事から、温調はんだごては必須と感じ購入しました。
色々な記事やYoutubeを見るとFX600がかなりおすすめのようで、色も色々選べて楽しそうです。
また、あまり聞かないメーカーの物を買ってしまうと、
設定した温度にならない事もあるようなので、実績のあるものが良さそうです。
白光のWebショップ限定はんだごて
https://ec.hakko.com/wp/archives/pickup/fx-600web%E9%99%90%E5%AE%9A%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC
こて先はビルドガイドでもオススメされていたものを別途買って、自分で交換しました。
交換も簡単ですし慣れると使いやすいので、買っておくと良いと思います。
フラックスとフラックスクリーナー
LEDは温度に弱いことから迅速に取り付けるために購入しました。
使ってみて感じたそれぞれのメリットデメリットは以下となります。
- フラックス
- メリット:失敗してフラックスが無くなっても、塗れば復活するので安心感がある
- デメリット:特になし
- フラックスクリーナー
- メリット:はんだ付け後の基板を綺麗にできる(Keyball46の様な白いPCBに最高!)
- デメリット:使用後、なんとなくベトつく感じがある
フラックスとは?
フラックスとは、はんだ付けの促進剤の事で、
温度に弱い部品は短時間で取り付ける必要があるので購入してみました。
必須かどうかは微妙でしたが、取り付けに失敗した際にも塗れば
はんだの纏まりがよくなるという安心感は結構ありました。
フラックスクリーナー?
フラックスクリーナーは、はんだ付けした際に
どうしてもPCB(基板)が汚くなってしまうのですが、
それが簡単に落ちるのでめちゃめちゃ重宝しました。
ただ、洗浄後ベトつく感じがきになりました。
とは言え時間が経てばそこまで気にならないのと、
アンダープレートがあるため触る事もほぼ無いので問題無いかとは思います。
クリーナー前
クリーナー後
届いたらまずやること
さて、注文してキットが届いたら、中身のチェックと動作確認を行います。
キットの中身チェック
遊舎工房では不良品や足りないものがあった際に、購入後から1週間であれば
対応してもらえる様なので、これは早めにやっておく必要があります。
今回はちゃんと全部入ってました。やったー!
ProMicroの動作確認
ProMicroも万が一動かない可能性があるので動作確認を行います。
この後、もげMicro対策も行いますが、接着剤で固めた後で交換してもらえるか分からないので、
まずは袋から出した状態のままで確認します。
(この時、USBの抜き差しでモゲてしまわないように慎重に扱います)
確認方法は私の独自のやり方なので、もし良い方法があれば教えていただけると嬉しいです。
- ProMicroとPCを直接USBケーブルで接続する
- デバイスマネージャーの「ポート(COMとLPT)」にAruduino Microが表示されている事を確認
- ProMicroのLEDが点灯する事を確認
- 遊者工房で購入した黒いProMicroでは、下記の光り方をしていました。
更にターミナルツール(teraterm)を使った確認を行いましたが、
これはツールに慣れている人向けであまり意味があるかは分かりません。
- Teratermを開いて「シリアル」のProMicroが認識されているCOMポートを選ぶ
- 下記の文字列が出力されることを確認する
ASCII Table ~ Character Map !, dec: 33, hex: 21, oct: 41, bin: 100001 ", dec: 34, hex: 22, oct: 42, bin: 100010 #, dec: 35, hex: 23, oct: 43, bin: 100011 ~省略~ y, dec: 121, hex: 79, oct: 171, bin: 1111001 z, dec: 122, hex: 7A, oct: 172, bin: 1111010 {, dec: 123, hex: 7B, oct: 173, bin: 1111011 |, dec: 124, hex: 7C, oct: 174, bin: 1111100 }, dec: 125, hex: 7D, oct: 175, bin: 1111101 ~, dec: 126, hex: 7E, oct: 176, bin: 1111110
TeratermとはCUI(いわゆる黒い画面)でサーバーにアクセスする際などに使用するターミナルツールです。
ビルドガイドの熟読
下記のビルドガイドをよく読んで、作業の順番とやる事を明確にイメージ出来るようにしておきます。
Keyball46のビルドガイドはとても丁寧に書かれているので、基本的に詰まるところは無いかと思います。
個人的には一度メモに作業順を書き出し、
同時にできそうな事(接着剤を乾かすなど)をチェックして若干順番を入れ替えたりもします。
(順番を入れ替える場合は、後で取り返しのつかない事にならないか入念なイメトレが重要です)
ProMicroもげ対策
ProMicroのUSB接続部分が弱く、
コードの抜き差しで接続部分がもげてしまう事がままあるようです。
その対策として接着剤で接続部分を固める方法があるのですが、
接着剤が端子の中に入ってしまうと動作しなくなる部分があるので
マスキングテープでガードすると安心して作業が行えます。
使用する接着剤
接着剤2液混合で固まる下記のものを使用しています。
固まると透明で綺麗です。
2液混合タイプってなんかプロっぽくてかっこいいですね。
マスキングする場所
流れ込んでほしくない部分は下記となります。 - USBの接続部分の内側 - コードが刺さって接続する部分の金属 - 両端の穴(この後はんだ付けする部分)
やり方
- マスキングテープを適度な長さに切ったら、更に細くカッターでカットします。
- 空いている部分に接着剤を流し込んで待ちます。
- 待ちます。(他の作業します)
- 乾いたらマスキングテープを剥がします。
- マスキングテープの繊維が残らないように気を付けて剥がします。
マスキングの見た目はこんな感じです。
お布団にくるまれている感じです。
顔までスッポリ
結果
縁塗り
Youtubeで自作キーボード動画を検索するとほぼ必ず出てくる
@Daihuku0015さんの動画の中でマッキーでPCBやProMicroの縁塗りをやっているのを見て、
真似してみたくなり今回やってみることにしました。
@Daihuku0015さんの動画のマッキーの部分
今回はProMicroとトッププレートを縁塗りしました。
PCBの縁を塗り忘れてました。。。
ProMicroを黒く縁塗り
左が塗る前、右側が縁を黒くしたもの。
確かに一体感が増してかっこいい!
トッププレートを白く縁塗り
キーキャップのすぐ下が白く塗ったトッププレート。
その下のPCB(基板)が塗る前の色と同じなので、比較してみると分かるかと思います。
準備編はここまでとなります。
次回からとうとう作成していきます。
作成編に続く。